【現地レポート④ / 男子 2 回戦】ライバル心とリスペクトを持って──RIZINGS 徳島 vs ゴッドドア
2026年1月5日
ディフェンディングチャンピオンの RIZINGS 徳島 (徳島) と第 2 回大会王者のゴッドドア (兵庫) による「2025年度 第 6 回 全国U15バスケットボール選手権大会 京王 Jr.ウインターカップ2025-26」男子 2 回戦は、終始ハイレベルな攻防が繰り広げられました。
粘り強いリバウンドを身上とし、エース #7 平岡泰介選手を中心としたハーフコートバスケで勝負する RIZINGS 徳島。対するゴッドドアは、激しいプレッシャーディフェンスから速攻に転じ、#13 吉本拓志選手を起点にスムーズなパスワークで戦うチーム。対照的なスタイルの両者ですが、実は普段から頻繁に練習試合を行う近しい関係。互いの手の内を知り尽くした者同士のマッチアップとなりました。
先に主導権を握ったのは RIZINGS 徳島。
平岡選手が中心となって得点を伸ばし、リバウンドでは #11 加賀見侠匠選手や #17 美崎優聖選手が体を張って肉弾戦を制します。前半を終えて 29-32 と RIZINGS 徳島が 3 点リード。さらに第 3 クォーターには平岡選手や加賀見選手の連続得点で流れを引き寄せ、一時は 9 点差 (36-45) までリードを広げます。これにはたまらずゴッドドアがタイムアウト。

ただ、一見すると RIZINGS 徳島が完全に流れをつかんだかと思われましたが、十川佳司コーチはハーフタイム時点で「後半はちょっとマズいかもしれない…」と不安を抱いていたと明かします。前半で20得点を挙げた平岡選手のオーバーワークを懸念していたからです。「こういう大一番のゲームは本人もやりたがるんです。途中で抑制するようにゲームを運ぼうと思っていたんですけど、第 3 クォーターのあたりで足をつっていましたから」
十川コーチの不安が的中し、タイムアウト明けにゴッドドアが反撃に転じます。#78 今田アラン海斗選手の 3 ポイントシュートを皮切りに、吉本選手のレイアップ、#51 渡辺祐希選手のアウトサイドシュートが決まって一気に逆転すると、第 4 クォーターに入っても得意のトランジションゲームで点差を拡大。最大18点のリードを奪い、最後は 74-59 で勝利を収めたのでした。前述したゴッドドアのタイムアウト明け以降の両者のスコアはなんと、38-14 でした。
ゴッドドアは Black Spartans (島根) との 1 回戦でも、第 4 クォーターを 29-4 と圧倒して逆転勝利を収めました。その経験もあって、この試合も「正直、前半で『ヤバい!』とは全然思っていなかった」と吉本選手。平岡選手を中心とした前半の相手オフェンスは脅威ではありましたが、「後半は相手のシュートが落ち始めるからむしろチャンスだと思っていた」と言います。

ゴッドドア・本間雄二コーチも冷静に戦局を見極め、第 3 クォーターのタイムアウトでは「簡単に点を取られてリバウンドでやられていたので、オフェンスの終わり方がすごく悪かったです」と指摘。「ウチのストロングポイントを消しにきた相手のディフェンスを嫌がってしまっていたので、それはあかんって。しつこく、粘り強くペイントアタックして良いオフェンスの終わり方をしよう」と原点回帰を促しました。その言葉を選手たちが見事に体現したのです。
それでも、何度も対戦している相手を強く意識したマッチアップになったことは間違いありません。特に両エースの平岡選手と吉本選手はプライベートでも親交の深い友人同士。1 回戦後には「明日勝った方が世代ナンバーワン選手です」と対戦を心待ちにしていました。その中で冷静さを取り戻したゴッドドアに今回は軍配が上がりましたが、本間コーチは「どちらが勝ってもおかしくないゲーム」だったと RIZINGS 徳島へのリスペクトを忘れません。
「RIZINGS 徳島や (平岡) 泰介が、この負けだけで評価されてほしくないと思っています。それくらい大きなものを背負ってこの 1 年間やってきたと思いますし、泰介についてはみんなが認めるすばらしい選手。これからの日本を背負っていくだろうとみんなが期待を込めていると思いますし、この負けだけでそれが薄れたりするわけではありません。チームとしても、今日はたまたまウチが最後に走れて、相手のシュートが入らなかっただけで、どちらが勝ってもおかしくないゲームでしたから」
RIZINGS 徳島・十川コーチも「ここでやるカードじゃないよなとは正直思いました。ゴッドドアは優勝候補ですから」とライバルへのリスペクトを語り、「対戦カードが決まったときには平岡と #16 小畠 (空) は体力面で最初から最後まで守って走り切れるように、シュートを決め切れるようにトレーニングもしてきました。それでもゴッドドアさんの方が一枚上手だったなと思います」と、この 2 回戦に照準を合わせてきたこと、そして試合結果を受けて完敗を認めました。
試合後、吉本選手は平岡選手から「絶対に優勝してくれ」とこの先の戦いを託されたと言います。
昨年大会でも両者は準々決勝で対戦し、勝利した RIZINGS 徳島がそのまま優勝を飾りました。今度はゴッドドアが RIZINGS 徳島の思いを背負って優勝を目指すこととなります。互いへのライバル心とリスペクトを持って戦い切った両チームの 2 回戦は、大会史に残る名勝負の一つとなりました。
